オーラルフレイルをご存知ですか?
6月に入り雨の季節が近づいてきました。湿度が高くなる時期は体調を崩しやすい時期だと言われています。不眠症、食欲不振、神経痛、食中毒などに加えて歯周病が多くなるという報告もあります。いつも以上の体調管理を心がけたいものですね!
さて、今回は皆さんに簡単なチェックをして頂こうと思います。当てはまる項目にはチェックを入れて下さい。
□ 会話の途中で聞き返されることが増えたように感じる
□ 滑舌が悪くなったと感じることがある
□ 最近食事中に食べこぼしが増えた気がする
□ お茶やジュースなどを飲もうとしてむせてしまうことがある
□ お口が乾燥する
□ 口臭が気になっている
□ 最近硬い食べ物が噛みにくい
□ 硬い物を避け、柔らかい物ばかり食べてしまう
「オーラル(Oral口腔)」「フレイル(Frailty虚弱)」この二つの言葉を合わせた「オーラルフレイル」は「お口の働きのわずかな衰え」を意味しています。上記のチェック項目に1つでも当てはまる場合は「オーラルフレイル」が始まっている可能性があります。「年齢が進めば、お口の働きも少しくらいは衰えるでしょう・・・」と簡単に思わないで下さい!「老化は足から・・」という言葉を耳にすることがありますが、最近の研究では「老化はお口から・・」と言われ、「オーラルフレイル」つまり「お口の働きのわずかな衰え」が将来的に要介護の状態に向かう最初の一歩であるとされているのです。
老化のサイン「オーラルフレイル」は適切な対応で健康な状態に戻る!
健康な状態 ⇒ フレイル ⇒ 要介護
[健康な状態]と[要介護]の間には、年齢を重ねるにつれて足腰の筋力や精神的な活力が徐々に低下していく[フレイル]と呼ばれる中間的な状態があります。食べこぼしが多くなったり、硬い物が噛みにくくなったりする「オーラルフレイル」の症状は「前フレイル期」と呼ばれる[フレイル]に入る前の段階で起こります。「オーラルフレイル」の特徴の一つは可逆的であること、つまり元の状態に戻ることができるということです。オーラルフレイルの段階で症状に気づき、適切なケアや予防をすれば、フレイルの状態に進むことなく健康な状態をキープできるのです。
✓何となく話しづらい
✓食事中、ボロボロと食べこぼしてしまう
✓お茶や汁物にむせやすくなった
✓噛めない食品が増えた
✓口の中が乾く
このような「オーラルフレイル」の些細な症状、老化のサインを見逃さず、すぐに適切なケアを始めることが大切です。
「オーラルフレイル」をくい止めるためには
歯やお口には「口腔機能」と呼ばれる様々な働きがありますが大きく分けると
・かむ、すりつぶす、飲み込むなど「食べる」ための働き
・発音する、歌うなど「話す」ための働き
となります。こうした働きに関連して、声を上げて笑うなどの「感情表現」や空気を吸ったり吐いたりする「呼吸」も、口腔機能が働かない状態では上手くできず、お口の働きが悪くなると体調不良が全身に拡がることに加え精神的にもダメージを受けることになるのです。食事や会話などいつも何気なく行っていることが「健康につながっている」ということをしっかりと意識しましょう。その上で
①食事はよく噛んで食べる
②正しい歯みがき、義歯の手入れなど毎日のケアでお口を清潔に保つ
③定期的な健診による客観的なチェックと、適切な治療での口腔機能を改善
④「お口の体操」「唾液腺マッサージ」など筋肉や唾液腺の働きを維持する
ことが必要です。
<お口の「パタカラ」体操>
「パ」の発音…食べ物を口からこぼさない唇の働き
「タ」の発音…食べ物を押しつぶして飲み込むための舌の働き
「カ」の発音…誤嚥(ごえん)せずに食べ物を食道へ送る筋肉の働き
それぞれに1秒間あたり6回以上発声できれば、上記の働きは健康状態にあるとされます。発音が上手くできれば滑舌もスムーズです。この3つの発音に舌全体を動かして発音する「ラ」を加えた4つの音で舌をきたえる体操が「パタカラ」体操です。
①「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」
②「パタカラ、パタカラ、パタカラ、パタカラ」
朝晩の歯みがきのあと、鏡を見ながら出来るだけ大きな声で、はっきりと声を出しましょう。①に続いて②を発音し3回ほど繰り返します。滑舌の体操に加え、食べるための機能トレーニングです。
6月の鈴木歯科クリニック
声を出して本を読む、お友達とおしゃべりをする、元気にカラオケを歌うなども有効なお口の体操だと言われています。元気な毎日を積極的に過ごすことは、いつまでも若々しく健康であるためにもとても重要なことです。虫歯や入れ歯、歯茎のお悩み以外でも、日常生活の中でお口に関する心配事、不安がありましたら、どんな小さなことでも鈴木歯科クリニックにご相談下さい。
午前の診療は9時30分から12時30分まで、午後の診療は2時30分から7時までとなります。木曜日、日曜日は休診です。
初診の患者様はご来院前にお電話(0562-92-8148)にてご予約ください。
よろしくお願いします。
院長 鈴木直人